星乱拳客伝 外伝 三つ目 廻国編
四の巻
第5章
「しょうがないなぁ」
宇宙空間に飛び出した赤い『歩ヒョウ』=『猩々』を追う小桜の小型宇宙船。
まさに、こういう『仕事』をするために出てきた訳であるが。。。
がこんっ
とモフモフの腕が小桜の宇宙船を掴んだ振動を感じた瞬間。
がこっ
と再び別の方向へ飛び出していった『猩々』。
狙いは一番近く(向かって右側)のビルドアームのようである。
小桜は、ちらりとグリソムを振り返ると残りの二体は、甲板上にいた。
「普通は、そうだよな」
『猩々』から少し遅れて方向転換すると小型宇宙船は左側に2体のビルドアームの通過を感じながら赤い『歩ヒョウ』の後を追う。
視線が捕らえたその先にはビルドアームの脚を長い右腕で掴んでいる『猩々』の姿があった。
「やるねぇ」
小桜は『猩々』と『鈴音』『ディアブロ』の中間(すこし猩々寄り)で宇宙船を止めた。
「さて、どうなるかな」
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