星乱拳客伝 外伝 三つ目 廻国編
四の巻
第2章
「向こうはインターセプトコースを取ってやがるな」
衛星からの情報を元に検索すると、こちらより一回り大きなタイプの船であるという事以外は不明。
通常発信していなければいけない認識番号も確認できない。
ディスプレイの「UNKNOWN」の文字が赤く点滅しつつ交差した航路へ接近する。
「航路安全保障局へ通報したか?」
蘭丸の問いに、
「あーありゃ、ダメだぜ。事が起きてからしか動かねぇし、一方的にヤラレたとしても、よっぽどの事がないかぎり『大変でしたね』で終わりだ」
長距離航路を利用するものにとって、航路安全保障局は使えない役所の代名詞であった。
ハンスが肩を竦める。
「ってことで、やっときますか?」
ハンスが局長を振り返る。
「仕方ないですね、振りかかる火の粉ははらいましょう」
局長は、まんざらでもなさそうである。
「接触までの時間は?」
ニヤリと笑う小桜は残り時間を問うた。
「20。。。いや、18分ってとこだ」
ハンスがディスプレイの数字を見ながら答えると、小桜が立ち上がりながら、
「誰が出ます?」
言うと、
はいはーい
とアフロが暴だした。
「出たい人を止める理由は?」
双葉の言葉に肩を竦めるハンスと局長であった。
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