星乱拳客伝 外伝 三つ目 廻国編
三の巻
第9章
ヒョウ局『円山(エンザン)』一同は、ファミレスにいた。
倉庫前で警備員に遭遇した小桜は、
「あれ?クライアントから、この倉庫って言われてきたんだけどなぁ〜」
と、すっとぼけ続けて、その場を切りぬけた。
結局、監視カメラの映像は見られず終いだったが、蘭丸はこの件がそうとうヤヤコシイことになっている予感を感じていた。
「それにしても、いいタイミングで警備員が来ましたね」
梅田局長がビーフカレーを食べながら言う。
「タイミングがどうこうって話じゃないですね、通報があったんですから」
小桜は中華ソバのナルトを摘み上げて言う。
警備会社へ匿名の通報があってから現場の映像を確認したところ倉庫の前に蘭丸と小桜がいたという訳である。
巡回中の車へ連絡が入り急行するまで数分。
倉庫に到着した中にスギヤマが居ないことを確認してから通報すれば、それくらいの時間になるかもしれない。
「やっぱり事務所へは戻らないほうがいいか。。。」
頭を抱える梅田局長をまぁまぁとなだめてから、
「倉庫はあらかた片付けてきたぜ」
メカニックのハンスは食後のコーヒーを飲んでいた。
「う〜む。。。慌ただしいようですが、このまま出発しますか」
梅田は、さりげなく無茶な事を言った。
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