星乱拳客伝 外伝 三つ目 廻国編
三の巻
第3章
失われた文書『28日の記録』。
1600年前の記録である。
「で、あてはあるのかい?」
小桜の問いはもっともであった。
「まず手始めに、この資料が発見された所へ行ってみようと思っている」
梅田局長は双葉の手にしたコピー用紙を指差した。
「コロニー『カンダ』。。。少し急がないと無くなってしまうからね」
コロニー『カンダ』。
宇宙移住の始まった初期に建造されたコロニー。
最近、基幹システムである回転ユニットに破損が見つかったため(他の部分の老朽化も進んでいた)破棄が決定したコロニーである。
「資料の所有者との話はついているし、資料もこちらで押さえてあるから。。。ま、いずれにせよ2、3日中には動き出す予定だから各自準備をよろしく」
何か質問は?と一同を見まわす梅田局長。
「なければ、今日はここまで。で、ご飯でも食べにいこうか」
午後1時少し前。
ちょうどいい時間である。
事務所にカギをかけ定員ぎりぎりのエレベーターに乗り込む。
「なにおごってもらいましょうか?」
小桜がエレベーターの階数の数字を見ながら言う。
「オムライスが食べたいなぁ」
赤いアフロがアフロをモフモフさせながら言う。
ちーん
一同が雑居ビルから外へ出る。
と、不意に日が翳った。
「ヒョウ局『円山』の方ですね?」
巨大な人影はスピーカーで話しかける。ビルドアームであった。
「一緒に来てもらいますよ」
威圧するように巨人は身を乗り出した。
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