星乱拳客伝 外伝 三つ目 廻国編
二の巻
第9章
ずんんんっ
その一撃は強烈であった。
ギシッっっっ
肘・膝・腰、『歩ヒョウ』=『鈴音』の全身の関節が悲鳴を上げる。
(まぁ合格というところか)
『歩ヒョウ』=『ディアブロ』の中で蘭丸の善戦を称える気にさえなっていた双葉。
(少なくとも前の持ち主より数段マシだ)
と、その刹那。
チッチカッ
『鈴音』が光った。
光信(こうしん)である。
※光信(こうしん)とは、歩ヒョウを発光させて情報を伝える通信手段である。いわゆるモールス信号のようなもの。
その意味は。。。
(タ・ジ・リ?)
気付いた時には『ディアブロ』の左足は一歩下がっていた。
「なに?」
そこには左腕を再び前に出した『鈴音』の姿があった。
(なんなの?)
混乱する双葉に、
「勝負ありだ」
眼下の朽葉氏がそう言い放った。
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