星乱拳客伝 外伝 三つ目 廻国編
二の巻
序章
「ただいまぁ〜」
事務所に入ってきたのは赤いアフロだった。
受付の横を抜けてこちらに向かってくる赤いアフロ。
目の前にきてようやくアフロの全貌が明らかになった。
「はじめましてぇ〜八雲茜(やくもあかね)です」
アフロは150センチくらいの元気な女の子だった。
「仕事どうだった?」
小桜の問いに、
「それがねぇ〜歴史的建造物の保全作業って言うから何かなぁって思ってたら」
「建物をそ〜っと支えたり、狭いところを中から押さえたり、そんなんばっかでさぁ〜肩こっちゃったよ」
アフロを左右に振りながら肩をポンポン叩く姿はクレーンゲームのぬいぐるみに似ていなくもない。
「あっ聞きましたよ、サカザキさん鈴音ちゃん引き取ったんですね」
「使い手を選ぶけど。。。あれいい歩ヒョウだから!ってのは、葉っぱのおじいちゃんの受け売りなんだけどね」
てへへと笑う茜。
「葉っぱのおじいちゃんってのは職人さんでね、鈴音の製作者なんですよ」
「勝手な渾名(あだな)付けちゃうんで困ってるんですけど。。。ね」
小桜の苦笑いに茜は、
「サカザキさんにも、カッチョイイの付けないとね」
「ん〜」
「ザキさん!はザクと被っちゃうし・・・」
「サカザキさんファーストネームは何でしたっけ?」
「蘭丸だよ」
「んじゃランさんだね!決まり」
高らかに宣言したアフロは満足そうであった。
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