星乱拳客伝 外伝 三つ目 廻国編
一の巻
終章
「また、思いきった突っ込みしましたね」
現場が片付いた後、局へ帰る車中。
「そうか?」
「あのビルドアームはコクピットハッチが閉じた状態じゃ座席同士がほとんど独立状態になっちまうから、人質にゃ手はだせないからね」
「それに小桜くんもいたし、なんとでもなるだろうって思っただけだよ」
「あ。。。ザクでいいですよ。まぁそういうモンですかね」
「ところで、ホントにこの歩ヒョウもらっちゃっていいのかな?」
「他のも見てみます?壊れてないヤツがあればいいですけどね」
「いや、そういうことじゃなくて。。。これけっこう良いものなんじゃないのかな?」
「うーんどうなんでしょうね。さっきも軽く話したかもしれないんですけど、前の持ち主がね、どえらい金持ちで大枚はたいて特別に造らせたってことらしいんで品はいいと思うんですけど。。。なんか、使いにくいらしいんですよね」
「4〜5回こわして修理してるんですけど、弱いっていうのか、脆(もろ)いっていうのか。。。そういうこともあって前の持ち主は局を辞める前は別の歩ヒョウを使ってたくらいですからね」
「だから実際、スズネがあんな動きしてるの見たのは始めてなんですよ」
「スズネ?」
「あ。。。まだ言ってませんでしたね、歩ヒョウの名前です」
「チリンチリンの鈴に音で鈴音(スズネ)です」
「鈴音(スズネ)か。。。」
(そう言えば、シャンシャン鳴ってたな)
ちらりと後ろを振り返る蘭丸。
(よろしくたのむよ 鈴音)
完
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