星乱拳客伝 外伝 三つ目 廻国編
一の巻
第3章
コロニー「セイヨウ」から、ヒョウ局の持ち物だという、中型クルーザーで18時間ほど。
「セイヨウ」の隣のコロニー群にあるコロニー「ニシオギ」。
その港近くの雑居ビルにヒョウ局はあった。
「戻りましたー」
言いながら事務所のドアを開ける小桜。
小さな事務所。
受付と書いてあるプラスチック板の乗った小さな台、その向こうに座った赤い縁のメガネの「いかにも」事務のお姉さんの無愛想な視線が来訪者を出迎える。
2x2+1の計5台のデスクの手前左側がお姉さん、その向かいは物置状態。
お姉さんの左のデスクに小桜はカバンを置いたところを見ると彼の机なのだろう、その小桜の向かいの机にも人は居なかった。
「サカザキくんかな?」
一番奥の、窓を背にした机の冴えないサラリーマン風情が蘭丸を見て言う。
「小桜から、話は聞いてるよ」
と立ちあがりながら言うと、パーティションで区切られた向こうへ消えた。
「狭いんだけど、一応応接室になってるから、こっちきてくれる?」
パーティションの向こうの男の声に
(。。。このヒョウ局、大丈夫か?)
天道の所を知っている蘭丸にとって、ここは意外な場所であった。
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