星乱拳客伝 外伝 −三つ目−
Nightclubbing
序 章
「あぁ?」
蘭丸がひどく間の抜けた声を上げたのは自宅の電話機の前であった。
「ご飯できてるわよ」
後ろで母親の声がする。
横目でちらりと後ろを確認すると、一家団欒の風景がそこにあった。
父、母、妹、そして、ジジイ。。。
(怪しい、あやしい、アヤシイ)
「怪しすぎるぞジジイ」
受話器の向こうで思わず口にした言葉に反応した男の声が聞こえる。
「すまんが今取り込み中だ、あとでこっちから連絡する」
相手の反応を待たずに受話器を置くと団欒の一要素となるべく食卓へ向かった。
「どうした蘭丸?オトモダチか?」
普段絶対使わない口調で普段絶対使わない単語を普段絶対に言わない人物がそう言った。
「ああ、ちょっとしたオトモダチからの電話でね」
藤十郎はまだニヤニヤしていたが、蘭丸は無視を決め込んだ。
(次の『決勝戦の件』ってのはどういうこった。。。ジジイ)
親の敵(カタキ)でも食い千切らん勢いで、柴漬けをバリバリしている蘭丸であった。
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『文句(もんく)があるなら、かかってこいよっ』
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