星乱拳客伝 外伝 −三つ目−

星乱拳客伝 外伝 トーナメント編 第7話

Perfect Day



第2章


そいつは、そこにいた。
それが当然であるかのように。
闘いの場で彼にあったものは口を揃えて言う。

「いつの間にか、いたんだよ」

味方の戦列にその姿を見たものは微笑を浮かべる。
安堵の為に。

「いつの間にか、いたんだよ」

敵の戦列にその姿を見たものは苦笑を浮かべる。
己が運の無さに。

彼の強さは圧倒的では無かった。
致命傷に至ることは、まずない。
勝てそうで勝てない。
常に闘うものの一枚上手をゆく。
一対一であっても複数でかかっても、それは変わらない。
巧い。
そう思わせる闘いぶりであった。
勝てないこともないか・・・
初めは皆、そう思う。
そして、誰もが認める強者にも同じように勝利する彼を見て思うのである。

「やっぱり強えぇや」

と。
数年前忽然と姿を消した彼を名乗るビルドアームがいまここにいる。
噂は伝説となり、神格化されている『ヘブンズ・ガーディアン』・・・
どこにでもありそうなビルドアームで、
だれでも使いそうな技を使い、
そして。。。
誰にも負けないのであった。

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『文句(もんく)があるなら、かかってこいよっ』
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