星乱拳客伝 外伝 −三つ目−
Pumpkin And Honey Bunny
転章
「困りましたね」
言葉とは裏腹に困った様子は感じられない天道の声音であった。
「終わりの決まっていない契約ですか・・・複数人で入れ替わるのであればなんとかなりそうですが」
端末を叩き情報を検索しつつ交渉を続ける。
「そうですね、クライアントがクライアントですから誰かが常駐することになるのでしょうが・・・」
そのとき、こんこん、という音と、がちゃっ
という音が同時にした。
「ジャマするよっ」
続く声は、いましがた試合を終えた榊藤十朗のものであった。
「そのクラスで、フリーな『ヒョウ師』というと・・・」
天道はそこまで言って藤十朗と視線がぶつかった。
無言の探りあい・・・
「へへっ」
ニヤリと笑う藤十朗。
「一人だけいますね」
こくりとうなずく天道。
「ご心配なく、腕は超一流。私が保証いたしますよ」
その言葉に嘘はなかった。
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『文句(もんく)があるなら、かかってこいよっ』
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