星乱拳客伝 外伝 −三つ目−
Pumpkin And Honey Bunny
終章
「完敗ですね」
緑の髪の女が言った。
「こちらが一枚上手ということでしょうね」
ぬけぬけと男が返す。
薄暗い部屋で交わされたのは、敵味方のマッチメーカー同士の言葉であった。
緑の髪の女エリは敗者側であり、
微笑の男、天道は勝者側であった。
「楽しい試合ありがとうございました」
どちらが勝者か解らないような優雅な物腰でそう言うと、車椅子を出口へ進める。
「こちらこそ、またムリをお願いするかもしれませんが・・・」
ドアの向こうに消える緑の髪。
「楽しい『お願い』ならいつでも、歓迎いたします」
その言葉を残して女は去った。
「さて・・・」
蘭丸のビルドアームが搬出されてゆく様を見ながら一息つくと、
ブリンクしている内線電話を取った。
「・・・そうですか・・・変わりましょう」
軽く肩をすくめると電話のスイッチを押した。
「天道です」
次章:転章
『文句(もんく)があるなら、かかってこいよっ』
(c)General Works