星乱拳客伝 外伝 −三つ目−
Bomb Track
第13章
それは巨大な力、そのものであった。
ぎしぃぃぃぃぃっ
赤と黒の斑。
その毒々しいカラーリングに彩られた巨大な尻尾は蘭丸=エスパーダの左腕を完全に破壊していた。
「なあぁぁぁぁぁぁぁっっっ」
フェイロンのアリーナに無様に転がったビルドアーム=エスパーダのコックピットで蘭丸はオタスの雄叫びを聞いていた。
次は止めを刺すべく大きく振りかぶられた尻尾の一撃。
恐らく観客を十分意識したものであろう、ゆっくりとしたモーションであった。
ごっ
風を巻いて打ち下ろされる一撃。
それは・・・
がしゃん
フェイロンのアリーナをしたたかに打ちつけていた。
「なあぁぁぁぁぁっっっ」
今度の叫びは驚愕の絶叫であった。
「アンタもオイラも腕一本・・・これでアイコだぜ」
スピーカのスイッチを入れた蘭丸。
そのビルド・アーム=エスパーダは残った右腕にオタスの巨大な尻尾が抱えつつ立ち上がっていた。
次章:第14章
『文句(もんく)があるなら、かかってこいよっ』
(c)General Works