星乱拳客伝 外伝 −三つ目−

星乱拳客伝 外伝 トーナメント編 第5話

Bomb Track



第3章


やけに軽妙な音楽であった。
その音楽と合っているような、そうでないような奇妙な歩行音。
がしゃがしゃという聞くものを不安にさせるその歩行音の主。
その姿が、薄暗い通路から現れようとしていた。
それは、不快な形であった。
異形の節足動物・・・
それは、不吉な色であった。
黒と赤の斑模様・・・
それは、巣穴から這い出てきた毒虫のようであった。

「フェイロンの悪魔、ブラッディー・オタス」

派手なアナウンスに応えるように前足を高々と突き上げ、

「今夜の獲物は、おまえか。あははははっ」

スピーカーから不快なオヤジの声が響いた。

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『文句(もんく)があるなら、かかってこいよっ』
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