星乱拳客伝 外伝 −三つ目−

星乱拳客伝 外伝 トーナメント編 第3話

Angel



第10章


「いただきっ」

いくつかのレバーとペダルを組み合わせた動作は強力な長槍の一撃であった。
高く舞い上がった白いビルドアーム。
空中という場所はその性質上、攻撃を避けにくい。
まさに地に足がついていない状態であるために・・・
(そんなことも・・・まさか・・・)
一瞬よぎった不安は現実のものとなる。

ごっ

っという異音と共に、空中の白いビルドアームが急加速する。

「ぬんっ」

意味を為さない掛け声と共にあわただしくレバーをスイッチをペダルを操作する唐津。

ぴぴぴっ
ぴ・・・・

いくつかの電子音が己の存在を主張するように鳴り響く。
急激な動きの変更は機械の許容限界を超えていた。

ぎしぃぃ

フレームが装甲版が悲鳴を上げる。
空中の白い奴に向けた一撃の方向修正が間に合わないと見るや、
また慌しくかつスムースな一連の動作を行った。
回り込むような横移動と、それに連動した槍による横殴りの攻撃。
シートからの力強い振動は、唐津にまだまだ闘えることを伝える声無き伝言であった。


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『文句(もんく)があるなら、かかってこいよっ』
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