星乱拳客伝 外伝 −三つ目−

星乱拳客伝 外伝 トーナメント編 第3話

Angel



第8章


ごっ

いいねぇ
どこか迷いを吹っ切ったような白いビルドアームの突きに笑みを深くしたのは、
緑のビルドアームを駆る唐津宗助であった。
そうでなくっちゃ、身軽になった意味がねぇやな
重心を低く落とした姿勢で滑らかに移動し、長槍を操る姿は華麗とは言いがたかったが、
不思議な風格のようなものが感じられた。
白いビルドアームの長剣を流し、打ち込む。
こちらから誘い、変化し突く。
留まると見せて、大きく踏み込む。
千変万化。
闘いにおける駆け引きの中で作られているとしか思えないような動きであった。
臨機応変。
その独特の闘いのリズムはしっかりとした技術に裏付けられているが故であった。
闘いはまた別の局面を迎えていた。
2つの異物同士が、己の力を出し始めている。
全身に鳥肌が立つのを感じた唐津は、少し間合いをとり、珍しく大きく長槍を振り回した。
へへっ
頬を両手でぱちんとやると男は再び、己が愛機で駈けた。


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『文句(もんく)があるなら、かかってこいよっ』
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