星乱拳客伝 外伝 −三つ目−
MY FAVORITE MISTAKE
第7章
衝撃は二ヶ所。
左肩と下腹部であった。
(なんだ、おぃ)
榊藤十郎の『歩ヒョウ』=『レン』が受けとめた歪(いびつ)な鉄球。
その表面の凸凹の一部が飛び出したのである。
(そりゃねぇんじゃねぇか・・・)
珍しくバランスを崩して仰向けに倒れた『歩ヒョウ』=『レン』。
その姿に・・・か、どうかは不明だが・・・観客は沸いた。
(たまんねぇな、こりゃ)
鉄球と飛び出した鉄片は、細いワイヤーで繋がっていて、それが藤十郎の『歩ヒョウ』の動きを邪魔している。
いわゆる、もがけばもがくほど・・・という奴である。
「ニンジャイ・ボー」
鉄球をそのままにして、次の武器を取り出すあたりが、さすが梅草兄弟といったところだろう。
次の武器は見たところ単純な棒だった。
ぶんぶんと大袈裟に振り回して見得を切っている。
「覚悟!」
力いっぱいの一撃は、ワイヤーに手こずっている『歩ヒョウ』に打ち下ろされた。
次章:第8章
『文句(もんく)があるなら、かかってこいよっ』
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