星乱拳客伝 外伝 −三つ目−
MY FAVORITE MISTAKE
第6章
フェイロン闘技場。
そのアリーナで二体の巨人が相対していた。
方や、背中に『白蓮』を背負った『三つ目』の碧き『歩ヒョウ』。
方や、日曜朝の戦隊物の巨大ロボットを模したビルド・アーム。
十数メートルの距離を置いて対峙する両者。
ビルド・アームの右腕には鎖で繋がれた巨大な鉄球が回転していた。
「ハンマー・アターック」
梅草兄弟のビルドアームが叫ぶと、回転していた鉄球が物凄い勢いで藤十郎の『歩ヒョウ』=『レン』へと放たれた。
(面白れぇ)
藤十郎は凶暴な笑みを浮かべ『歩ヒョウ』の両足の指で床を掴み直した。
その瞬間・・・
ギぃん
突起物のつ付いた鉄球は『歩ヒョウ』=『レン』に激突した。
(くぅ〜 しみるねぇ〜)
・・・正確には受け止めたと言うべきだろう。
だが、なんという・・・いや、この男なら、かつて『三つ目』と呼ばれていたこの男なら当然のことなのかもしれない。
(さて、お次は・・・)
受け止めた歪な鉄球越しにビルドアームを睨む『歩ヒョウ』=『レン』。
その時。
「ショーック」
梅草兄弟のビルドアームからの音声である。
(?)
藤十郎は一瞬、鉄球を受け止められてショックなのかと思った。
だが、次の瞬間。
ダダぁン
(なんだ、おぃ)
何かが、強烈な勢いで藤十郎の『歩ヒョウ』を打った。
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『文句(もんく)があるなら、かかってこいよっ』
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