星乱拳客伝 外伝 −三つ目−
MY FAVORITE MISTAKE
第4章
「おぅおぅおぅ、慌てるな悪党め」
梅草兄弟のビルドアームの言葉に、思わず足を停めた三つ目の『歩ヒョウ』=『レン』。
(まだ、なんかあんのかオイ)
一旦、間合いを取った榊籐十郎は事の成り行きを確かめることにした。
「テメェの悪事は、しっかとこの目で見させてもらったぜ」
ご丁寧に、BGMと一緒に梅草兄弟の台詞がスピーカーから聞こえる。
このビルドアームがモデルにしているロボットの台詞なのであろう。
(長ぇな・・・)
「・・・疾風怒涛ニンジャイダー。天に代わって成敗してくれる!!」
ビルドアームの奇妙なポーズと共に闘技場が湧いた。
(終わったか?)
『歩ヒョウ』=『レン』を走らせようとした時、
「ニンジャイ・ブレード」
そう言って、背後のコンテナから馬鹿デカイ長剣を取り出した梅草兄弟のビルドアーム。
「さあ、いつでもかかってこい」
重そうに長剣を構えたビルドアーム。
(なにが『いつでも』だ、さんざん待たせやがって)
ダン
と鋼鉄の床を蹴った藤十郎の『歩ヒョウ』=『レン』は、大仰に長剣を構えるビルドアームへ一直線に駆けた。
巨大な刃の待ち受ける場所へ・・・
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『文句(もんく)があるなら、かかってこいよっ』
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