星乱拳客伝 外伝 −三つ目−
MY FAVORITE MISTAKE
序 章
光であった。
尋常ではない光量のライトがせめぎあい影の存在を許さない。
熱気であった。
ライトによる発熱をもしのぐ観客の熱気は、どこか狂神を崇めるもの達にも似ていた。
そして・・・
ぎシャン
ガガッ
異音が響き、機械油と鋼が焼ける異臭がただよう。
そして、その度に歓声と怒号が波のようにうねる。
異空間であった。
日常という名の仮面の下に隠された動物的な衝動が解き放たれ、目に見えない巨大な生物となってドーム型の空間をうねくるようにさまよっている。
フェイロン闘技場。
そこは、異形の巨人と鋼鉄の獣が火花を散らし、互いを食らいあうが如き戦いを繰り広げる場所であった。
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『文句(もんく)があるなら、かかってこいよっ』
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