星乱拳客伝 外伝 −三つ目−
LIVEN' ON THE EDGE OF THE NIGHT
第12章
「さすが、良い腕してるわね」
赤い髪のエリの隣に座っているのは、緑の髪の女であった。
「リエです。よろしく」
エリと同じ顔の女、リエは双子の姉妹であった。
座ったままでごめんなさいと言う彼女は車椅子に座っていた。
ちなみにエリとスピーカーごしに話していたのは、このリエである。
軽い組み手の後、エリと蘭丸は近くのプレハブ小屋へ入った。
それが、ここである。
内部は意外なほど奇麗に片付いており、普通の事務所に見えた。
「先程の組み手、楽しく拝見させていただきましたよ」
緑の髪の女は本当に楽しそうに言った。
その様子は、どことなく天童に似ていなくもない。
つまりは、ヤバイという事である。
「あなたの技術は問題ありませんが、あなたのビルドアームは問題がありそうですね」
柔らかい物腰で、キツイ事を言う。
「もしよろしければ、こちらでビルドアームを用意させていただきたいのですが、いかがでしょう」
緑の髪の頭の中では、すでに決定事項なのであろう言い方が少し感にさわった。
「そいつは、そっちのビルドアームを見てからだな」
それはもちろんと、自走式の車椅子は静かに動き出した。
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『文句(もんく)があるなら、かかってこいよっ』
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