星乱拳客伝 外伝 −三つ目−

星乱拳客伝 外伝 トーナメント編 第1話

LIVEN' ON THE EDGE OF THE NIGHT



第2章


ハデな奴だった。
身長160cmほど。
細身の体に原色のちりばめられたスーツを纏い。
肩まで届かないショートヘアーは真っ赤だった。

「はじめまして、リエ・ブラックストーンです」

握手を求めた手の爪はピンクと赤が渦巻いている。

「面倒だから、リエって呼んで」

赤い唇で、そう言った女はどう見ても二十歳そこそこだった。

「天童、こいつが俺のマッチメーカーなんて言わねぇよな」

蘭丸の問いに軽く肩をすくめるだけの天童に代って赤い女が、

「私が今回、あなたのマッチメーカーを引き受けることになったの」
「ご不満なら、トーナメントの出場は辞退することね」

そう言い放つ赤い女に、あいかわらずですね、と天童。

「彼女には、うちでビルドアーム関連の仕事・・・メンテナンスからスクラップの後始末までいろいろです・・・をやってもらってます」

それなら蘭丸と同じようなものである。

「それから言うまでもありませんが、マッチメーカーとしては年間数十試合参加しており、彼女が出場させたビルドアームの勝率はフェイロン闘技場のトップ3に入っています。」

天童が信頼を置くというのも肯ける実績ではある。
しかし、さっきは成り行き上、出場すると言ってしまったもののフェイロン闘技に耐えられるようなビルドアームは今、蘭丸の手元に無い。
それを知ってか知らずか、赤い女は、

「さっそくだけど、出場させるビルドアームを見ておきたいんだけど」

当然と言えば当然の言葉であった。

「明日、PM11:00にフェイロン闘技場C−3ゲートで待ってる」

それだけ言うと、赤い女は天童に会釈をして立ち去った。
あいかわらずですね、と天童がさっきと同じ台詞をつぶやいた。
しかし、ビルドアームの調達の事で頭がいっぱいの蘭丸には聞こえようもなかった。

次章:第3章

『文句(もんく)があるなら、かかってこいよっ』
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