星乱拳客伝 外伝 −三つ目−

薄暗い部屋に集った3人。
真実を探るべく口火を切ったのはアミルであった。

星乱拳客伝 外伝 −三つ目− 第13巻

DESPERADO



第13章 truth reality fact
事実・真実・現実

そこは薄暗い部屋だった。
私が部屋に入ると、そこには2人の男がいた。
一人は天道歩。
若くしてフェイロンを主催する男。
もう一人が『フェイロンの闘士ランメール』か。。。
「揃いましたね」
天道が紹介する前に名乗ることにした。
「三眼流のアミルです」
右手を差し出し、ランメールの出方を見ることにした。
こちらが名乗った以上、向こうも名乗るかもしれない。
「あっ。。。とぉ。。。ランメールの。。。サカキです」
なんだこの男?
本当にさっきまで目の前に立っていた歩ヒョウのヒョウ師か?
握手をしながら俺はランメールを名乗る男を値踏みしていた。
思った以上に若い。
「『フェイロンの闘士』とのことですが、流派を公表できない理由でもあるのですか?」
あらかじめ天道から5分程度ということでこの場を設けてもらった。
時間もないし、まどろっこしいことは止めて直接聞いてみる。
「いや、そういう事ではなくて・・・我流なもんで、流派が無いんですよ」
頭を掻きながらランメールのサカキは言った。
その言葉に嘘は無いように思える。
。。。ランメールの『サカキ』。。。
サカキサカキサカキ。。。まさか、榊!?
サカキという名が一般的なものなのかどうかは知らないが、まさか。。。
「失礼ですが、身内の方に『藤十郎』さんて方はいらっしゃいますか?」
まさかと思いながらも聞いてみる。顔は少し硬直していたかもしれない。
「祖父が藤十郎といいますが。。。お知り合いですか?」
!!!
そんな、ありえない。。。
その後、何がなんだか覚えていない。
気付くと、薄暗い部屋に天道とオレの二人きりだった。
「彼にもイロイロと事情がありましてね」
天道は微笑を浮かべてこちらを見ている。
「ちょっとお願いしたいことがあるんですが。。。いや、三眼流にとっても悪い話じゃないと思うんですが、聞くだけ聞いていただけますか?」




次章予告


突き付けられた現実。
己が望む現実。
提案された現実。
三者三様の現実がある。

外伝 第13巻
次章:終章 それぞれの決着 a showdown

『文句(もんく)があるなら、かかってこいよっ』
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