星乱拳客伝 外伝 −三つ目−

次第に攻勢に立つアミル。
己が武勲の一つとしてこの闘いを刻まんとした、その刹那!

星乱拳客伝 外伝 −三つ目− 第13巻

DESPERADO



第12章 crossroads
分岐点

(いける!)
アミルは勝利を確信していた。
(その程度。。。いや、ここまで闘えるヤツはそういるもんじゃない)
一方的な攻撃になっていた闘いの決着をどう付けるか考え始めていた、その時。。。
(ん!)
ランメールは己が得物である棒をこちらに投げたのである。
投げつけたのではなく、棒を横にしてゆっくりと投げてよこしたのである。
刹那。
アミルの動きが止まった。
もし攻撃を意図した投擲であったのならアミルは打ち落とすなり避けるなり反応したであろう。
しかし、投げるという動作に攻撃性のかけらも見出せなかったアミルの思考は停止した。
どん!
次の瞬間、胸元で何かが爆発した。
(これがランメールの当身技であったと気付くのは、ずっと後のことである)
何が起こったのかよく解からないまま、アミルの歩ヒョウはフェイロンのアリーナに転がっていた。
ぎりりりりっ
何かが上半身を締め上げている。
みちめちぃっ
HTの筋が悲鳴を上げる。
「くぬっ」
気付いた時には遅かった。
不用意に力を入れてしまった事でぶちぶち引き千切れた筋の音を聞きながらアミルは自分が敗れた事を知った。




次章予告


薄暗い部屋に集った3人。
真実を探るべく口火を切ったのはアミルであった。

外伝 第13巻
次章:第13章 事実・真実・現実 truth reality fact

『文句(もんく)があるなら、かかってこいよっ』
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