星乱拳客伝 外伝 −三つ目−

嵐のようなアミルの攻撃で次第に防御にまわる蘭丸。
本物の武士(もののふ)相手にどう対するのか蘭丸よ!

星乱拳客伝 外伝 −三つ目− 第13巻

DESPERADO



第11章 THE POWER
『強い』ということ

嵐のような棒術だった。
まるで小型の台風がそこにあるかのような攻撃。
(ちっ、だんだん早くなってやがる)
裏のハル爺に棒術を学んでいなかったら、滅多打ちにされていたところだろう。
だがそれも幼い頃から父や祖父に格闘技を祖父である藤十郎にヒョウ術(こちらはここ数年であったが。。。)を学んでいたからであろう。
しかし、そんな只中でさえ蘭丸は冷静であった。
(こいつ、強いな)
次第に防御にまわる時間が多くなるのを感じながら蘭丸は思う。
(でも。。。怖くはない)
背筋がゾクリとするような突きを防ぎながら思う。
(ウチのジジイみたいに何を仕掛けてるか解からないような『怖さ』が。。。ない)
ガンガンガンガン
今や防戦一方の蘭丸は、この状況を楽しんでさえいた。
(へへっ)
美しいと言っていいほどのアミルの体術を全身で感じながら、蘭丸は猫科の肉食獣の笑みを浮かべていた。




次章予告


次第に攻勢に立つアミル。
己が武勲の一つとしてこの闘いを刻まんとした、その刹那!

外伝 第13巻
次章:第12章 分岐点 crossroads

『文句(もんく)があるなら、かかってこいよっ』
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