星乱拳客伝 外伝 −三つ目−

無観客試合という異常な状況。
蘭丸・アミル・天道、三者の思惑をよそに試合開始まで残された時間はあと僅か。。。

星乱拳客伝 外伝 −三つ目− 第13巻

DESPERADO



第9章 THE Rival
好敵手

「今回は、いつものフェイロンとは違う趣向とさせていただきます」
アリーナに天道の声が響く。
「制限時間無しの無観客試合。よろしいですね」
二体の『歩ヒョウ』は彫像が如く動かなかった。
「Ready」
腰を落とし棒を構える両者。
「Go!」
だんっ
と地を蹴る。
ゴウ
と棒が唸る。
がちん
と棒が火花を散らす。
両者、場所を入れ替え振り返る。
がんがんがん
打ち合わされる棒は、それ自体まるで生き物のように動いた。
ががんがんがん
攻守をめまぐるしく入れ替えつつ打ち合う。
ががががががががががっ
更に加速した打撃速度。
そして不意に、どちらからともなく間合いを取った。
チチッ
蘭丸の『歩ヒョウ』が光る。
(いいねぇ)
チカッ
アミルの『歩ヒョウ』が光る。
(やるな)
闘いは始まったばかりであった。




次章予告


強敵であった。
互いが互いを高めあいつつ、攻防は更なるステージへ。

外伝 第13巻
次章:第10章 野武士 NOBUSI

『文句(もんく)があるなら、かかってこいよっ』
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