星乱拳客伝 外伝 −三つ目−

フェイロン闘技場で対峙する2体の「三つ目」。
マッチメーカー天道歩の思惑とは?

星乱拳客伝 外伝 −三つ目− 第13巻

DESPERADO



第8章 RYUHA
流派

そこはいつもの場所であり、いつもの場所でなかった。
フェイロン闘技場、そのアリーナ。
対峙するのは「フェイロンの闘士ランメール」と「三眼流のアミル」。
しかし。。。
いつも以上に殺伐としているのは観客がいないからであろうか。
歓声と罵声、手を叩き足を踏み鳴らす観客がいないというだけで闘技という雰囲気ではなくなっている。
蘭丸は違和感を覚えていた。
(ナニを考えてやがる天道)
あの天道が客を入れないマッチメークとは。。。客を入れる以上の契約をしているのか、何か利権が絡んでいるのか。。。
(ま、オレが考える事じゃねぇな)
既に闘う者のスイッチに切り替えている蘭丸は眼前に立つアミルの歩ヒョウを見つめていた。
大きさは蘭丸の『歩ヒョウ』=『レン』より少し大きいくらいだろうか、全体のバランスがとれているオーソドックスなタイプ。
色は深い緑をベースに、ところどころ赤いアクセントがついている。
顔面に施された3つの眼のペイントは三眼流の証であろう。
得物は左手の棒。
さっき控え室で確認済みのものだ。
対戦相手の得物はフェイロン側の立会人を同席させ事前に相手側にチェックさせることになっている。
ここで対戦する度に微妙にルールが違っているのは、より公平を期すためだというのは天道の言葉である。
蘭丸は特に得物を用意してはいなかったのであるが、相手が棒ならこちらもということでフェイロン闘技場から同じく棒を借りることにした。
棒術なら裏のハル爺さんに教わっている。
(若い頃うちのジジイと各地を飛び回っていたらしいから実戦派であることに間違い無いだろう)
そういえばハル爺さんはどこかの流派の嫡男だったと言う話である。
(流派。。。か)
どうやら今回は『流派』が主役のようである。




次章予告


無観客試合という異常な状況。
蘭丸・アミル・天道、三者の思惑をよそに試合開始まで残された時間はあと僅か。。。

外伝 第13巻
次章:第9章 好敵手 THE Rival

『文句(もんく)があるなら、かかってこいよっ』
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