星乱拳客伝 外伝 −三つ目−

見知らぬ相手からの対戦要求。
三つ目の歩ヒョウを駆るヒョウ師、蘭丸。
どうする?

星乱拳客伝 外伝 −三つ目− 第13巻

DESPERADO



第5章 take a someone
背負うモノ

「あぁぁぁぁぁっもう!わかった」
オレは天道に反論する虚しさを味わいながら叫んだ。
最初っからこうなることは分かっていながら反論しちまう。
いや、反論させられた挙句、敗北を味わわせられるこの一連の流れすら計算されている事のような気さえする。
(こいつ、うちのジジイより質悪りぃんじゃねぇのか?)
「ナニか、おっしゃいました?」
天道がいつもの微笑のままオレのぼそっと言った一言を聞き取ったようだ。
地獄耳ってか、悪魔だな。
ナンデモねぇよ、と返した後、
「で、その梅草ってやつをブッ飛ばしゃいいのか?」
オレの問いに天道は手元の端末の操作を始めた。
「いえ、対戦を希望してきているのは三眼流のアミルという人です」
暗い照明が一層暗くなると、壁のスクリーンに画像が映し出された。
「ざっと調べてみた情報です」
スクリーンにはアミルについての情報が並んでいた。
「なかなか強敵ですね」
「三眼流の看板を背負ってますから負けられない闘いを重ねてきたのでしょう」
天道の言い方が妙に楽しそうなのは気のせいか?
「ところで蘭丸さんの流派は何と返事しましょうか?」
(流派か。。。)
一応、「歩ヒョウ」=「レン」を譲り受けたかたちにはなっているが、正式に2代目になった覚えはない。
というか、オレは爺の流派を知らない。
「・・・流派ってのは、普通名乗るもんなのか?」
オレは答えではない返答をした。
「そうですね、普通かどうかは解かりませんが名乗る人は多いようですね」
天道が暗闇の中からこちらを見つめながら言う。
「返事は22時ごろにしますので、それまでに連絡がなければフェイロンの闘士ランメールとだけ知らせておきますね」
(フェイロンの闘士ランメールか。。。)




次章予告


己が流派を持たぬヒョウ師。
我流であるが故の苦悩が蘭丸を襲う。

外伝 第13巻
次章:第6章 血 blood relations

『文句(もんく)があるなら、かかってこいよっ』
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