星乱拳客伝 外伝 −三つ目−
天道に呼び出された蘭丸。
いつもの展開に疑惑を隠さない。
はたして。。。
DESPERADO
第4章 resistance and abandonment
「反抗」と「あきらめ」と
「梅草?誰だそれ」
いつもの薄暗い天道の部屋である。
一面ガラス張りの『壁』には休みらしいフェイロン闘技場が会場内の点検をしているのであろう、天井の照明が低い位置まで下ろされているのが見えた。
「トーナメントの1回戦でランメールと対戦したビルドアームの操縦者です。お忘れですか?」
しばしの沈黙。
「。。。待て、それはジジイが闘った相手だろうが」
少々ややこしい話であるが、トーナメントで1・2回戦をランメールとして闘ったのは、ここにはいない蘭丸の祖父、榊藤十郎であった。
「あ!そうでしたね。うっかりしてましたよ」
『うっかり』ではなく『ちゃっかり』間違えたに違いない天道がヌケヌケと言う。
「で、ですね対戦相手なんですが、」
天道がそこまで言った時、
「ちょっと待て、何でオレがジジイの後始末しなきゃいけねぇんだ?」
軽く肩をすくめる天道のその仕草まで、全てが計算されつくしているように蘭丸には思えた。
「それもそうですね。。。ただ私もこういう商売をしている以上、いつまでもはぐらかしている訳にもいきませんので。。。私からお断りするのは構わないのですが、逃げたと言われるような事態になっても。。。恨みっこなしですよ?」
次章予告
見知らぬ相手からの対戦要求。
三つ目の歩ヒョウを駆るヒョウ師、蘭丸。
どうする?
外伝 第13巻
次章:第5章 背負うモノ take a someone
『文句(もんく)があるなら、かかってこいよっ』
(c)General Works