星乱拳客伝 外伝 −三つ目−
宇宙空間で再び対峙した『碧』と『緋』の『歩ヒョウ』
仕掛けたのは『緋』の『歩ヒョウ』
一度は、逃げた相手からの申し出を受けるのか蘭丸よ。
TOMMY THE CAT
第10章 Sient Knight II
沈黙の騎士U
『ヒョウ師』=『蘭丸』は、悩んでいた。
いや、困惑していたというべきだろうか。
この闘い受けるか否か。
自らの『歩ヒョウ』=『レン』を纏(まと)い、ここまできたのは無論、闘う為である。
しかし目前の『緋』の『歩ヒョウ』は、一度闘いを拒否したばかりか逃亡している。
(まいったな)
先日のこともある。蘭丸は『緋』の『歩ヒョウ』をみつけ次第、仕掛けようと思っていた。
しかし、こういう形になってしまったいま、何らかの意志表示をせねばなるまい。
(しょうがねぇな)
はなから選択枝は一つしかないのである。
仕掛け方が少し違うだけの話だ。
「我、闘イヲ求ム」
『緋』の『歩ヒョウ』が再び明滅する。
それを受けて『碧』の『歩ヒョウ』も明滅した。
「受ケタ」
次の瞬間、弾かれたように『緋』『碧』二色の巨人が動いた。
次章予告
舞台をコロニー外の宇宙空間に移し、闘いは始まった。
真空。無重力。巨大な岩盤。
そしてゆっくりと回転し続けるコロニー。
この特異な空間でいかなる闘いが繰り広げられるのか。
外伝 第12巻
次章:第11章 Sient Knight III 沈黙の騎士V
『文句(もんく)があるなら、かかってこいよっ』
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