星乱拳客伝 外伝 −三つ目−
THE BLUE MASK
序 章 STARRY NIGHT
星空
夜
見上げれば、そこには瞬く星が見えた・・・
星?
いや、星など見えよう筈がない。
ここは、辺境の地球圏に浮かぶ密閉型コロニー『京香(けいか)』
その中である・・・
頭上に見えるのは『大地』、人が創りだした人工の大地である。
そこに瞬く星々は、人々の生活の明かりであった。
転じて、周りを見回せば、
薄暗闇の中、円形のアリーナを囲むように工作用ビルドアームが立ち並び、
そこは、物言わぬ異形の番人に取り囲まれた地獄の神殿にも見えた。
フェイロン闘技場に似ていなくも無いこの空間、
作りかけのコンサートホールか競技場であろうか、
その長椅子状の客席に寝転んで、夜空を見つめる男。
蘭丸である。
(来ちゃったよ・・・)
誰に言うのか
「へへっ」
しかし言葉とは裏腹に、その顔にはあの堪らない笑顔が浮かんでいた。
次章予告
三日前
偶然知り合った、一人の『ヒョウ師』
交わした『約束』
「勝負すっか・・・若いの」
蘭丸の背中を一つ叩いて出ていった彼は・・・誰?
外伝 第11巻
次章:第1章 THE STRANGER 旅人
『文句(もんく)があるなら、かかってこいよっ』
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