星乱拳客伝 外伝 −三つ目−

海賊のビルドアームに取り付いた、
黒い『歩ヒョウ』の天道。
通信に割って入った天道に、策はあるのか?
はたして・・・

星乱拳客伝 外伝 −三つ目− 第10巻

COLD METAL



終章 again
邂逅(かいこう)

「一番『偉い』人と、お話がしたいのですが・・・」

通信機から聞こえる天道の声、

「ふざけんな、この野郎」

そう言いながら、コントロールパネルに指を走らせ、
足下のペダルを踏み込むパイロット、
しかし・・・

(ちくしょう、いうこときかねぇ・・・)

苛立たしげに、コントロールパネルに両手を叩き付けるなり

「どういうつもりだ、てめぇー」

「お話し合いで解決できればと思いまして・・・お互いのためにもね」
「これが一番手っ取り早いもので、このビルドアームの通信機をお借りしました」

その通信に、ふいに割って入った新たな声

「こんなところで遭うとはね」
「よりによって『人形使い』に・・・」

「こちらは助かりましたよ『カラミティ・ジェーン』でね・・・」

「ああ、それ以上はなにも言うな」
「小型クルーザーを一隻やる、それで何処へなりと消えてくれえ」
「ここには海賊はいなかった、歩ヒョウなんかとは遭わなかった」
「そういうことだ・・・」

「さすがは『カラミティ・ジェーン』。話が早くて助かります」
「では、さっそく・・」

取り付いたビルドアームを貨物船の外板付近で解放すると、
仲間の歩ヒョウと合流した黒い歩ヒョウ。
それを静かに見つめながらビルドアームのパイロットは問うた、

「『ジェーン』・・・あいつは何者なんです?」

「あいつは昔、ある組織でその名を轟かせていたヤバイ奴」
「お前らが束になっても適わない、そういう奴さ・・・」

白い小型クルーザーに乗り移りつつある『紅』『碧』『黒』
三体の『歩ヒョウ』を眺めながら『カラミティ・ジェーン』は言った。

「『人形使い』といえばね」

第10巻 完




『文句(もんく)があるなら、かかってこいよっ』
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