星乱拳客伝 外伝 −三つ目−

離ればなれになった、天道と蘭丸。
二人を襲う、黒い巨鳥の群。
しかし、不意に姿を消す巨鳥達。
一体、
なにが・・・

星乱拳客伝 外伝 −三つ目− 第9巻

WALK ON THE WILD SIDE



第7章 Black Business VI 仕事(6)

(次は・・・)

新たなる敵の気配を求めて、三つの目を緑の木々に向ける碧い魔人。
しかし、

(・・・消えた)

消えた二つの殺気。

「とりあえず、戻るか・・・」

もと来た方向へ戻り始めた蘭丸に、『糸電話』から通信が入る。

「ザッ・・・蘭丸さん、きっ・・えますか・・・」

離ればなれになった、天道である。

「どうした・・・」

「時間が無いようなので、こ・・・らの指示を伝えますので聞いて下さい・・・ザッ」

「なに・・・」

「黙っ・・・聞いて下さ・・・」
「私は『目的地』へ向かいますので、そちらは船に・・・ザッっ」

「おい・・・」

「・・・」

「どうした・・・」

「・・・」

返答の無いまま木々のあいだを戻る蘭丸であったが・・・

「何だこりゃ?」

忽然と緑の密林を割って巨大な鉄壁が現れた。

(たしか、この辺りだった・・・)

「おい、聞こえねぇのか?」

『糸電話』に話しかける蘭丸であったが。

(・・・?)

振り向く蘭丸の周りを数え切れない殺気が取り囲んでいた。




次章予告

背後には、巨大な鉄壁。
眼前には、蘭丸を取り囲む巨鳥の群。
その数は先ほどの倍・・・
いや、それ以上であろう。
如何にして船に戻るのか。
如何にして巨鳥の群に対するのか、
蘭丸よ・・・

外伝 第9巻
次章:第8章 Black Business VII 仕事(7)

『文句(もんく)があるなら、かかってこいよっ』
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