星乱拳客伝 外伝 −三つ目−

興奮さめやらぬフェイロン闘技場。
その観客席に周りとは異なった雰囲気の一組の男女がいた。
グレイ。
『R』。
二人の視線は試合が終わってなお、闘技場の歩ヒョウに注がれていた。

星乱拳客伝 外伝 −三つ目− 第8巻

FIGHT THE GOOD FIGHT



終 章 Realize 知る者


トリモチにくるまれた、2体の歩ヒョウが闘技場から運び出されて行く。
それを見つめる、周りの観客とは雰囲気を異する一組の男女がいた。
冷静。
冷ややか。
いや、もっと正確に言うなら・・・冷酷。
そんな形容詞が似合うこの二人。

「『R』室長。」

瞳の大きな東洋系の女性に声をかける、銀髪の男。
グレイである。
声をかけられた女性はラルクの上司でもある『R』である。
しかし、彼女は黙したまま動かない。

「『R』室長。LARCです。」

その言葉に『R』は、闘技場を見つめたまま、

「ええ。解っているわ・・・」

そう答えた。
しかし騒然とする闘技場で、
その続きを聞き取る事はグレイにも出来なかった。

外伝 第8巻 完
『文句(もんく)があるなら、かかってこいよっ』
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