星乱拳客伝 外伝 −三つ目−

フェイロン闘技場で繰り広げられる、
激しい打ち合い。
そして、グランドでの攻防。
マウントポジションを取られたラルクに逆転の可能性は・・・
このまま、終わってしまうのかラルクよ・・・

星乱拳客伝 外伝 −三つ目− 第7巻

THAT'S NOT ENOUGH



第5章 demons III 魔人二人(3)


ガッシ、ギッシ、ガシ

フェイロン闘技場に鳴り響く奇怪な音。

ギィシ、ギシ、ガッシ

コンクリートのアリーナ上に仰向けになった紅い歩ヒョウ、それに馬乗りになった、碧い歩ヒョウ。
そして、打ち下ろされる碧い魔人の、

拳。 拳。 拳。

紅い歩ヒョウのラルク。碧い歩ヒョウのランメールこと蘭丸。

「どうする、紅いのッ」

打ち下ろす拳を休めて問いかけるのは、蘭丸である。

「まだまだ」

言いながら、下から拳を突き上げるのはラルクである。
しかし、蘭丸は上体を軽く反らせただけで、その拳は届かない。
マウントポジション、そう呼ばれる体勢である。そして、再び打ち下ろされる拳の雨。

ギィシ、ギシ。

ラルクはそのグローブ状の両拳でガードする一方である。

(ちィィィィッ)

蘭丸の拳を喰らいながら、上体を起こし蘭丸に抱きつくラルク。蘭丸の拳を逃れる為に・・・しかし、

ギィシ、ギッシ

互いに抱き合った体勢から打ち込まれるのは、蘭丸の拳である。
何処から?

ガッ、ギシッ

蘭丸を抱え込んだ、ラルクの脇腹に打ち込まれる拳。

「無駄だよッ」

言い放つ蘭丸の拳は尚も止まらない。
抱きつけば脇腹に拳。その体勢から反撃に出ようと腕を放せば・・・

「甘いッ」

言いながら、蘭丸は上体を反らせる。
そして、また拳の雨が降る・・・


次章予告


ラルクにマウントポジションを取った蘭丸。

その猛攻は尚も続く。

蓄積されていくラルクの疲労。

何処まで耐え続けるのかラルクよ、

その紅い歩ヒョウは再び立ち上がる事が出来るのか・・・

外伝 第7巻
次章:第6章 demons IV 魔人二人(4)

『文句(もんく)があるなら、かかってこいよっ』
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