星乱拳客伝 外伝 −三つ目−

「Ready」
「Go !!」
試合は始まった。
しかし、一向に動かない2体。
どうした『ラルク』
どうした『蘭丸』

星乱拳客伝 外伝 −三つ目− 第6巻

DON'T LOOK BACK



第8章 Blue and Red II 碧と紅(2)


ワアァァァァ・・・・・・

爆発したかのような観客の歓声の中、
碧と紅、一対の巨大な立像のような『歩ヒョウ』は動かない。

5秒。

10秒。

15秒。

歓声が、ブーイングに変わりつつある。
痺れを切らしたか、スピーカーから声が響く。

「Fight !!」

更に、

5秒。

10秒。

会場に飛び交い始めたヤジの中で、尚も動かない、二体の『歩ヒョウ』。

一瞬、

きらめいた『歩ヒョウ』。
それに気付いたのは何人いただろう、
そして、その意味に気付いたのは・・・

『我ト立チ合エ』

どちらが、どちらへ送ったのか、

『相判ッタ』

どちらが、どちらへ返したのか・・・

観客をルールを無視した、やりとりの後、二体の『歩ヒョウ』は疾った。

碧い疾風が如く・・・

紅い稲妻が如く・・・

戦いは始まったのだ、たった今。



次章予告

唐突に走り出した、『歩ヒョウ』

『碧』

『紅』

二体の『歩ヒョウ』が繰り広げる戦いとは・・・

外伝 第6巻
次章:終 章 Hyou-Shi ヒョウ師

『文句(もんく)があるなら、かかってこいよっ』
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