星乱拳客伝 外伝 −三つ目−
フェイロン賭博場のアリーナで向かい合う、
『歩ヒョウ』と『歩ヒョウ』。
この2体が、打ち合ったとき、
如何なる色の火花が上がるのか・・・
DON'T LOOK BACK
第7章 Blue and Red I 碧と紅(1)
ワアァァァァ・・・・・・
『割れんばかり』とはこの事か、
闘技場にいる観客の視線は、楕円形のアリーナに立つ2体の巨大な人型機械に釘付けだった。
「レフトコーナー、本日初登場。紅の魔人。『ラルク』」
オォォォ
紅の魔人とは、よく言ったものだ。
7m少しの全身は、深紅に染まっていた。
頭部は、ターバンの様な布状のHTを幾重にも巻き付けてあり、地球の中近東の民族を思わせた。
そして、その特徴的な両手の指は左右3本づつで、人間に当てはめると、
親指にあたる指、
人差し指と中指を併せた指、
そして、残りの薬指と小指を併せた指があり、
その拳を握るとボクシングのグローブ状になる。
ラルクはその異形の左手を軽く挙げて、観客の声援に応えた。
「ライトコーナー、2戦2勝。三つ目の魔人。『ランメール』」
アァァァァァ
ほとんど物理的とさえ言える歓声が、アリーナの碧い魔人の巨体を打つ。
その歓声を気にする風もなく、蘭丸は歩ヒョウの右手を軽く挙げた。
アリーナで向かい合う、
『歩ヒョウ』と『歩ヒョウ』。
アリーナで睨み合う、
『ヒョウ師』と『ヒョウ師』。
その間にも、この試合のオッズ(1.8対3.9で蘭丸が優勢)や、ルール説明(30分1本勝負。武器の使用不可。等)が行われていた。
そして・・・
「Ready、Go !!」
試合は始まった。
次章予告
「Ready」
「Go !!」
試合は始まった。
しかし、一向に動かない2体。
どうした『ラルク』
どうした『蘭丸』
外伝 第6巻
次章:第8章 Blue and Red II 碧と紅(2)
『文句(もんく)があるなら、かかってこいよっ』
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