星乱拳客伝 外伝 −三つ目−
ディスプレーに映像が映し出される・・・
ここに呼び出したのは、
ラルクにその映像を見せる為なのか、
だとすれば、いったい何が・・・?
YOU JUST GOT LUCKY
第2章 Section C3 C3室
・・・グッキィーン
轟音と共に現れたのは、ビルドアームが打ち合う映像だった。
(何だ? これ)
・・・数十分後。VTRが砂嵐を吐き出し始めると、
「いかがです?」
VTRの電源をオフにした、『R』女史が訪ねる。
「『いかがです』、と言われても・・・。」
「そうですね。」
『R』女史が口もとをほころばせたのを見て安心したのか、
「・・・面白そうですね。」
ラルクは、小学生の読書感想文のように言った。
「それは、良かった。」
と、『R』女史が隣の銀髪男に目で合図すると、一枚の紙を受け取った。
「辞令です。」
ラルクが、その紙と『R』女史の顔を交互に見比べているのを尻目に、
「本日付けで、あなたは汎用ビルドアーム研究部 総合開発課 C3室に異動です。」
「え゛ッ?」
現実を認識出来ずにいるラルクを無視して、
「あなたには簡単な審査の後、地球圏のコロニー『京香(ケイカ)』に行ってもらいます。」
「ちょっと待ってくださいよ。」
「あなた、さっきVTR見て言ったじゃない、『面白そうですね』って。」
「でも・・・」
「行ってくれるわよね? 『ヒョウ師』=『ラルク』さん。」
「・・・・・・」
この女は、何もかも知っていたのだ。
ラルクが、この辞令を受け取る事を、
ラルクが、この命令を承諾する事を、
そして、
ラルクが、『ヒョウ師』である事を・・・。
次章予告
平凡な研究者から、一転。
数奇な運命を歩む事になった、ラルク。
今まで隠し続けていた事実を突きつけられた上での辞令。
そして、審査・・・。
何処へ行くのか、『ヒョウ師』=『ラルク』よ。
外伝 第5巻
次章:第3章 the examination I 審査(1)
『文句(もんく)があるなら、かかってこいよっ』
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