星乱拳客伝 外伝 −三つ目−

突然、届いた謎のメール。
無視する理由も見つからないまま、
指定された場所へ向かう、白衣の男『ラルク』。
この研究員に、
何が待ち受けているのか・・・

YOU JUST GOT LUCKY



第1章 B7 FL Meeting Room B7 FL会議室


コツ、コツ、コツ、コツ

コツ、コツッ

人影の無い廊下の途中で、立ち止まった白衣の男。

(ここの筈だけど・・・)

男の立ち止まった扉のプレートには、こう書かれていた、

『 B7 FL Meeting Room 』

インターホンのボタンを押しかけた、この男。

(本当かな・・・)

それは、ここで合っているかと言うことか、
それとも、自分に届いた謎のメールに対しての言葉か・・・
左手をインターホンの辺りでウロウロさせていた男は、

(もう、いいや)

ポーッ

間の抜けた、呼び出し音が人気の無い廊下に響く。

「はい、FL会議室です。」

若い女の声が答える。

「あの、素材研究部門グループDのラルク・マホガニーです。」

幾分、不安げな口調で言うと、

「お待ちしておりました。只今、お開けします。」

シュッ

言い終わらないうちに、軽い音を立ててドアが開いた。

「失礼します。」

当たり障りのない挨拶をして中にはいると、想ったよりも小さめの部屋に簡単なテーブルとイスが置いてあった。
そして、

「初めまして。メタダイン研究所 汎用ビルドアーム研究部 総合開発課 C3室、室長の『R』(アール)です。」

イスから立ち上がって名乗ったのは、瞳の大きな東洋系の女性だった。

「あ、初めまして。」

幾分、間の抜けた返事をした男をどう思ったか、

「どうぞ、かけて下さい。」

そう促すと、インターホンの声の主らしい別の女性が、隣の部屋からコーヒーを運んできた。

「とりあえず、これを見て下さい。」

指し示した手の先には、ディスプレーとVTRが置いてあった。

その傍らに立つ、姿勢の良い銀髪の男の手がVTRに伸びる。



次章予告

「とりあえず、これを見て下さい。」

『R』女史の指し示したのは、ディスプレーとVTRであった。

部屋の照明が幾分抑えられ、

ディスプレーに映像が映し出される・・・

ここに呼び出したのは、

ラルクにその映像を見せる為なのか、

だとすれば、いったい何が・・・?

外伝 第5巻
次章:第2章 Section C3 C3室

『文句(もんく)があるなら、かかってこいよっ』
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