星乱拳客伝 外伝 −三つ目−

今、巨人と魔人の壮絶な闘いが始まる。
どんな武器で、
どんな技で、
どう戦うのか?


第4章 giant and demon I 巨人と、魔人と(1)


ワァーーーーーーー

観客の歓声と、ライトの光が渦巻く『闘技場』。
形は楕円形で直径が80mと50mほどもあるだろうか、足場は剥き出しのコンクリートで、幾多の闘いのあとを思わせる凹凸が無数にあった。
その『闘技場』に立つ、二体の巨大人型機械。
一方は、8メートルはあるだろう、大型ビルドアーム。
もう一方は、6.5メートル少々の、『歩ヒョウ』。
お互い、楕円形の短い直径の端と端に立っている。

「レフトコーナー、1戦1勝。三つ目の魔人『ランメール』」

蘭丸の名前を女声のアナウンスが間違えてコールする。

(どうやら、俺の名前は『ランメール』になっちまったらしいな)

苦笑しながらも、『武器庫』で手に入れた、ヌンチャクを持った左手を軽く上げる、青銅色三つ目の『歩ヒョウ』=『レン』。

オオッーーーーーーーーー

客席から歓声が上がる。

「ライトコーナー、9戦7勝2敗。褐色の巨人『ラーフェン』」

その身長と同じくらいの長さの六角棒を一振りして、歓声に答える。

ワアッーーーーーーーーーー

闘士の紹介に続いて、この試合のオッズ(今回は3対1.5でラーフェンが有利)や、禁止事項(用意された武器の使用は可能だが、それ以外は禁止。)等が、ドーム状の屋根から吊された巨大マルチスクリーンに表示され、アナウンスされる。
試合直前の一種独特の雰囲気が、一気に闘技場の緊張感を高める。

「Ready」

「Go !!」

ワアッ、アーーーーーーーーー

爆発したかのような、観客の歓声に押されるように、『ラーフェン』は第一歩を踏み出し、『ランメール』=『蘭丸』は歓声に弾かれたように走り出した。



次章予告

「Ready」

「Go !!」

急接近する2体の巨大機械。

振りかぶられる『ラーフェン』の長大な六角棒。

ヌンチャクを片手に疾走する蘭丸。

交錯する2体の巨大機械にどんな運命が待ち受けているのか・・・


外伝 第2巻
次章:第5章 giant and demon II 巨人と、魔人と(2)

『文句(もんく)があるなら、かかってこいよっ』
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