星乱拳客伝 外伝 −三つ目−

はたして蘭丸はどんな武器を選んだのか、
その武器でどう戦うのか蘭丸よ。


第3章 return of the demon II 魔人、再び(2)


『武器庫』を後に、『控室』へ向かう三つ目の魔人。

(ここは、同じだな。)

小さな体育館ほどの広さの『控室』。

(しっかし、辛気くさいところだぜ。)

相変わらず薄暗い、化学薬品とオイル、鉄の焼けた臭いのする『控室』。
今のところ、ここには蘭丸一人しかいない。
入ってきたばかりの入口付近に腰を下ろすと、『控室』をぐるりと見回す。
『控室』には、出入り口が四つあった。
一つは、今入ってきた入口。
もう一つは、この前入ってきた入口。
そして、出口が一つ。
残りの一つは・・・、不明だ。

どれくらいの時間が過ぎただろう。
『武器庫』で手に入れた、武器をガチャガチャやっていると、

「ジッ・・、『蘭丸』出番だ、思う存分暴れてこい・・」

レトロ調にしてあるのか、本当に古いのか解らないスピーカーから、マッチメーカーのおやじの声が響く。
そして、出口の上に、ぶら下げられた元はグリーンだったであろう、すりガラス状のランプに灯がともる。

(あのおやじ、姿が見えないと強気だな・・・)
(さっ、行くか)

コンビニに弁当でも買いに行くように、『控室』を後にする、『ヒョウ師』=『蘭丸』。
『控室』の出口から、わずか数十メートル先には『闘技場』が控えている。
そこには、観客の歓声が・・・、
無数のスポットライトの光が・・・、
そして何より、

敵が、
闘いが、
蘭丸を今や遅しと待ち受けている。



次章予告

目も眩まんばかりのスポットライトを浴びて、

巨大な立像の如き姿を再び、闘技場に現わす『歩ヒョウ』=『レン』。

そして、『歩ヒョウ』=『レン』を駆る『ヒョウ師』=『蘭丸』。

相対するは、大型の人型ビルドアーム『ラーフェン』。

今、巨人と魔人の壮絶な闘いが始まる。

どんな武器で、

どんな技で、

どう戦うのか?


外伝 第2巻
次章:第4章 giant and demon I 巨人と、魔人と(1)

『文句(もんく)があるなら、かかってこいよっ』
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