星乱拳客伝 外伝 −三つ目−

今再び、闘技場の土を踏む一人の『ヒョウ師』。
次の闘いは、どう攻め、どう受けるのか蘭丸よ。


第2章 return of the demon I 魔人、再び(1)


ガッコン

軽い衝撃と共に、エレベータのプラットフォームが停止する。
その眼前には、薄暗い通路が待ち受けていた。
今まで幾多の闘士たちを迎え入れたであろう、その通路に足を踏み入れる三つ目の
『歩ヒョウ』。

(この前と違う通路だが・・・)

(「エレベーターが停まったら道なりに進んで下さい。」)

マッチメーカーのおやじの顔が浮かぶ。

(「それから、今回は武器が使用できますので、途中の『武器庫』で気に入った武器を選んで下さい。)

(あの、おやじ・・・。闘いの当日、エレベーターが動き出してから言うセリフじゃねぇぜ、ったく。)

 だだっぴろい。しかし、その貧弱な照明のせいか妙に狭苦しく感じる通路。 しばらく進むと、赤い文字で『武器庫(WEAPONS CHAMBER)』と書いてあるプレートが掛けてあった。 そこは、部屋という感じは無く、通路の幅が広がっているだけだ、だが。

(おいおい、何だこりゃ・・・)

ここに並べられた棚の数々はいったい・・・。
そして、その棚にびっしりと並べられた、或いは、ぶら下げられた、武器の数々。
それは、まさしく『武器庫』の名にふさわしい膨大な量であった。
多種多様の武器の数々。
同じ武器でも、大きさや重さの違うものが取りそろえられており、ここを通る人の多さ、多様さを物語っていた。

(よし)

『武器庫』を一通り回った蘭丸は、さらに続く通路を『控室』へと向かった。



次章予告

再び地下へ、闘技場へ、戻ってきた蘭丸。

『武器庫』に蓄積された武器の膨大な量に、

あらためてフェイロン賭博の奥の深さを思い知る。

はたして蘭丸はどんな武器を選んだのか、

その武器でどう戦うのか蘭丸よ。

外伝 第2巻
次章:第3章 return of the demon II 魔人、再び(2)

『文句(もんく)があるなら、かかってこいよっ』
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