星乱拳客伝 10周年企画 十二拳聖ネモ 外伝版



シーン4

「っかぁぁ〜いいね」
両肩をゴリゴリ回しながらネモはシャトルから飛行場に降り立った。
「空気が濃いって感じがするねぇ」
首をゴキゴキ鳴らすネモ。
「しかし、空が閉じてないってのは妙なもんだな」
理屈では解かっていても、ただそこに巨大なモノが『ある』というだけの引力という代物に不安を覚えている。
こちらへどうぞ、と黒いスーツの男が声をかけてくる。
SPか何かだろう。
(誰から、誰を守るんだか。。。)
ネモは横柄に「オゥ」と返すと、男の誘導で高そうな黒塗りの長い車に乗り込んだ。
滑るように走り出した車の窓から景色を楽しむネモ。
「セントラルパークまで30分ほどです」
車に同乗した黒いスーツの男は必要最低限の言葉を発するとそれきりしゃべらなくなった。




(c)General Works